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Forgotten Legions ベン・ケイン著
忘れられた軍団とでも訳しましょうか。

うーん。
拷問だった。

時代的には「鷹の王」とまったく同じタイムラインなので、いろいろ参考になるかと思ったのですが。
やっとササン朝(鷹の王の後)でも、アケメネス朝(鷹の王の前)でもない、パルティア朝時代の話だと思って喜んで手に取ったのですが。
しかも、ピンポイントで史実が入ってくるのですごく助かるぞーと思って読み始めたんですが。
実在のキャラもたくさん出てくるし。

疲れました。

いや、前に紹介した作品に比べると。

無駄に長い。
この半分でいいよ。

前半ざっくり削ってしまえ。

キャラを絞れ。



なんか最近そんな意見をどっかで聞いたような気がしたけど……。

まあ、それはこっちに置いといて。

感想:作者そんなにローマ嫌いなの?

やたら前振りが長い割りに、パルティア側の人物や文化的な描写がほとんどないのがすごく残念でした。
がんばって読んだのにあまり収穫がないというか。
そもそもパルティア遠征まで我慢して読んでたのに、こんだけかーっていう残念度が高い。
あの人はちょっとしか出てこないし、名前ささやかれるだけでオロデスも登場しないし。
それにパルティア人の名前が手抜きだ。
脇のどうでもいいのがダリウスなのはまあ仕方ないけど、辺境司令官の名前がオロデスの長男と同じパコルスとか、もう少しはリサーチしろとか思った。
パルティアに愛がないのがまるわかりでちょっと不愉快。

(男性の集団に石を投げれば、ダリウス君かイスカンダル君に当たるのは本当らしい)


それにパルティア人とローマ人捕虜との言葉が通じないとかちょっとへんだなぁ。
このころはまだまだメソポタミアはギリシア文化圏で、ペルシアの支配層はギリシア語は話せるし、ペルシア領西側に勢力を残すギリシア人コミュは親ローマ派だから、ローマに隷属されたギリシア人のラテン語通訳にはことかかないはずだが。
だいたい、パルティアの首都のひとつ、セレウキアにはギリシア人がごろごろ。
主役のひとりが「たまたま」ペルシア語を話せて交渉を独壇場にしちゃうという設定は苦しいよな。

でも、熱中症に苦しむローマ軍の前に、蜃気楼のように砂丘の尾根から尾根へと姿を現したパルティア軍騎兵隊の威圧感はなかなかよかった。

それから、ローマに滅ぼされ、吸収されてしまったという、失われた民族・エトルリア文化というのにもちょっと興味を持ちました。

でもソグド人はイラン系民族(白人)だと思ったんだけど。
作中ではモンゴル系の扱いだった。つまり→シャーヒーンって、あんな近いところからきたのかー。

実は、シャーヒーンの出身地はまだ決めてないのでした(汗)

今回は、米華には珍しく、プロの作家さまに対していちゃもんたらたらでしたね。
まあ、でも、ベストセラーだそうですよ。
期待が大きかったのと、前の二作が秀逸だったので、ちょっと辛くなってしまったようです。
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Killer of Men 第一巻 クリスチャン・キャメロン著
歴女で腐女にはこたえられない展開というか。

一口で言うと。

紀元前500年くらいのギリシア・ペルシアの抗争の中で、翻弄される少年の出世物語と言いますか。

アテネとスパルタが勃興してきて、ギリシアが二大勢力に区分され、絶頂期にあったアケメネス朝ペルシアも巻き込んでの三つ巴の長い戦争の時代に入っていくわけですが。

歴史を紐解くと、この当時はペルシアのギリシア圏制覇ばかりが強調されているようですが、実はこの各ポリスに分裂して互いに争い、ペルシア勢力圏で海賊行為を繰り返したり、ペルシア領土内のギリシア人都市の反乱活動を扇動するギリシア人に堪忍袋の緒が切れて、ダリウス王はギリシア侵攻を決意したような展開らしいです。

物語はギリシア側から描かれていますが、ある意味かなりペルシア側に好意的に描かれています。

民主主義のギリシア・アテネ圏の政治や兵役、税金が、専制のペルシアに劣らず苛烈であることなどもさりげなく言及されていますが。

何より、腐母として楽しかったのは、作者がギリシア的少年愛の社会的な在り方に真っ向から取り組んでくれたことでしょうか。

killer of men

ギリシアといっても田舎町の青銅鍛冶師を父に持つ農場育ちの主人公はバリバリのヘテロであります。
貴族趣味とは無縁で、女の子が好き。
しかし、頭の良さを買われて学問を修めるために神殿に寄宿する先では師に、
彼を気に入ったアテネ有力貴族に、
エロメノス(愛される少年)になりませんか? という、暗黙のお誘いをかわしながら、
どうにか操を守って実兄の盾持ちとして初陣に出て、
戦争を体験します。

戦闘中に負傷し意識を失くし、気がついたらペルシア領のギリシア人コロニー都市イオニア行きの奴隷船に乗せられてました。

買われていった先でも、学友としてついたご主人の若様とそーいう仲だと思われて、
(普通はそうらしいけども、ふたりともヘテロでひとりの女の子を間に挟んで緊張関係になる)
奴隷の身分から抜け出すと同時に、イオニアの反乱が起き、アテネが介入。
時代はギリシア・ペルシア戦争へと突入していきます。
主人公は裸一貫で戦場に再デビュー。

狂戦士の才能が最大に生かされたペルシアとの戦いでは、歴戦の英雄達にお誘いを受けて、上手にかわし。

やっと故郷に帰れると思ったら、戦闘時でもないのに持ち前の殺人衝動が抑えきれずに船を放り出され。

船長の紹介でクレタ王宮に王子様の家庭教師に雇われましたが。
この王子様の「エラステス(愛する側の青年・指導役)」になるという前提で。

女性にももてる主人公でしたが、ふと
部下の少年やこの王子様や、誘いをかけてきた戦士たちは「愛している」と囁くのに、女性達には言われたことがないなーと悩んだりしてます。
そして、女性達は狂戦士であるかれのもとにとどまろうとはしません。
かれの子を生んだ女性も他の男性と結婚してしまい、舅には門前払いで息子に会わせてもらえませんでした。

さらにクレタの王子さま、主人公を切なく追い掛け回すのですが、ついに主人公は「おれは男はダメなんだー」と告白します。
「女を相手にしろだって? あなたはどっかおかしいよ」
とか言われたりして、言い返せません。

主人公、ついに「男の子もいいかも……」とか悩んだりしています。

その時代の社会常識にさからうと、ヘテロには行きにくい世の中だったんですね。

でもギリシア圏全部がそうなかったようで。
くだけた席で仲の良い友人・主従関係を男色関係と断定的に揶揄されると

「おれはスパルタ人じゃねーよ」

みたいな反論が定着していたようです。

なんだかんだとひとりの女性を思い続ける主人公の恋が叶わないのが、なかなか切ないのと
主人公の運命がジェットコースター的に上がったり下がったりするのと
戦闘、戦争、決闘シーンが丁度いいサイクルで入ってくるので、気がついたら分厚い本でしたがあっという間に読み終わってしまいました。
前記事の「ローマの戦士」と同じ分量なのですが、格段に読みやすかったです。
著者は歴史学者で、戦史研究家で、しかもアメリカ海軍出身だそうです。

一巻で主人公は故郷に帰還し、叔父(だか従兄だか)に奪われた農場と鍛冶工房を取り返して、これからは平和に暮らすぞーと決意しますが。

二巻では、歴史的なペルシアのギリシア本土侵攻、そしてマラソンの起源となった「マラトンの決戦」にいやおうなく巻き込まれていくのだそうで。

二巻を借りに図書館にGO!!

難しい部分といえば、キャラの名前が覚えにくいですねー。
日本の戦国モノでも、義経、義時、時宗、宗政と、誰がどれだ~となりますが、
アリストロゴス、アリストゴロス、アリスティダス、ヒロクラテス、ヒロティリダテスと、だれがどれだ~。
(ちなみにうろ覚えです↑)
読んでいるうちに混乱してきます。
太陽の獅子 ローマの戦士三巻目
読むのに三ヶ月かかったです。

難解で。

西暦260年。
ローマ帝国とペルシア帝国との戦争で、ペルシア王シャープールにローマ皇帝ヴァレリアンが降伏。
ヴァレリアン帝の腹心がペルシアと裏取引をして帝位を乗っ取ってしまったです。
それに巻き込まれてしまったバリスタは、彼を憎む新しい皇帝のもと、分裂していくローマ帝国内における政争と、ペルシアとの闘争の中で家族を守り領土を守り、かつ自分自身の命と地位を維持しなくてはならないという不可能な試練にさらされるのでした。

史実によると、ヴァレリアン帝の最期は複数の説があるようですが、それぞれで一致するのはヴァレリアン帝はしばらくはシャープール王が乗馬するときの踏み台にされていたようです。

バリスタは不幸な皇帝の救出なんてやってる場合じゃなくて、自分が生き残るの精一杯です。
そういう物語だから。

lion of the sun

ラテン語名詞と古典の引用が多すぎるのが難儀なんだと思う。
どの時間帯に読んでも、1ページから3ページくらい読むといつのまにか目を閉じて良い気持ちになっている。

自分も歴史系を書くと、漢字が多いとか古語を使いすぎて読むのがつらいという感想をもらったりするけど……。
反省した。

あまり難しい言葉や、どう読む(発音する)のかわからないのとか、覚えられない名詞が出てくるといらいらするのね。

でも、紹介の作品はベストセラーなんです。
そのうちに邦訳が出るかもしれません。

難解だけど面白いのは面白いです。
キャラの数がすごいのですが(歴史戦記物なので)それぞれ立っていて、だいたいは忘れたり混乱したりはせずに読み進められますし。
メインキャラたちがなかなか魅力的で。

やはり主人公のバリスタが光っているかな。
いかにも西洋人の好きそうなマッチョな大男、金髪碧眼のバーサーカー(狂戦士)ぶりがいい。
これがこどもにはメロメロで奥さんにはデレデレで、でもそれをあまり表面に出さない。
基本属性はボケ。外ではボディガードに、私生活では執事に、家庭では奥さんにツッコミまくられている。
ローマ帝国方面最高指揮官のひとりなのに、宮廷では北方ゲルマン出身であるために、いじめられている。

かれは自分の配下の奴隷にもかなり甘い。
ゲルマン族がどうかは知らないけど、ケルトやヴァイキングの場合は奴隷と主人の関係がもっと密接だという背景もあるのか、家族同様に扱うので周りの顰蹙を買っていたり。

今回は腐母を楽しませてくれていたギリシア人少年秘書(冒頭で奴隷から市民に昇格しました)は西のほうにお使いに出されて、出番がなくて残念でした。
でももう二十歳だから少年とは言い難いのですが。
原文では「Boy」なんですよね。

さんざん苦労して読み終わったら。

四巻に続く。

疲れるから、日本語で読みたい

ちなみにタイトルの「太陽の獅子」は主人公バリスタのことではなくて、ローマとペルシアの均衡または勝負を左右するオアシス都市王国パルミラの王のことで、本人はローマ帝国の数機が決するまで物語の最後まで出てこないという……。
ちーと思わせぶり。
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