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Killer of Men 第一巻 クリスチャン・キャメロン著
歴女で腐女にはこたえられない展開というか。

一口で言うと。

紀元前500年くらいのギリシア・ペルシアの抗争の中で、翻弄される少年の出世物語と言いますか。

アテネとスパルタが勃興してきて、ギリシアが二大勢力に区分され、絶頂期にあったアケメネス朝ペルシアも巻き込んでの三つ巴の長い戦争の時代に入っていくわけですが。

歴史を紐解くと、この当時はペルシアのギリシア圏制覇ばかりが強調されているようですが、実はこの各ポリスに分裂して互いに争い、ペルシア勢力圏で海賊行為を繰り返したり、ペルシア領土内のギリシア人都市の反乱活動を扇動するギリシア人に堪忍袋の緒が切れて、ダリウス王はギリシア侵攻を決意したような展開らしいです。

物語はギリシア側から描かれていますが、ある意味かなりペルシア側に好意的に描かれています。

民主主義のギリシア・アテネ圏の政治や兵役、税金が、専制のペルシアに劣らず苛烈であることなどもさりげなく言及されていますが。

何より、腐母として楽しかったのは、作者がギリシア的少年愛の社会的な在り方に真っ向から取り組んでくれたことでしょうか。

killer of men

ギリシアといっても田舎町の青銅鍛冶師を父に持つ農場育ちの主人公はバリバリのヘテロであります。
貴族趣味とは無縁で、女の子が好き。
しかし、頭の良さを買われて学問を修めるために神殿に寄宿する先では師に、
彼を気に入ったアテネ有力貴族に、
エロメノス(愛される少年)になりませんか? という、暗黙のお誘いをかわしながら、
どうにか操を守って実兄の盾持ちとして初陣に出て、
戦争を体験します。

戦闘中に負傷し意識を失くし、気がついたらペルシア領のギリシア人コロニー都市イオニア行きの奴隷船に乗せられてました。

買われていった先でも、学友としてついたご主人の若様とそーいう仲だと思われて、
(普通はそうらしいけども、ふたりともヘテロでひとりの女の子を間に挟んで緊張関係になる)
奴隷の身分から抜け出すと同時に、イオニアの反乱が起き、アテネが介入。
時代はギリシア・ペルシア戦争へと突入していきます。
主人公は裸一貫で戦場に再デビュー。

狂戦士の才能が最大に生かされたペルシアとの戦いでは、歴戦の英雄達にお誘いを受けて、上手にかわし。

やっと故郷に帰れると思ったら、戦闘時でもないのに持ち前の殺人衝動が抑えきれずに船を放り出され。

船長の紹介でクレタ王宮に王子様の家庭教師に雇われましたが。
この王子様の「エラステス(愛する側の青年・指導役)」になるという前提で。

女性にももてる主人公でしたが、ふと
部下の少年やこの王子様や、誘いをかけてきた戦士たちは「愛している」と囁くのに、女性達には言われたことがないなーと悩んだりしてます。
そして、女性達は狂戦士であるかれのもとにとどまろうとはしません。
かれの子を生んだ女性も他の男性と結婚してしまい、舅には門前払いで息子に会わせてもらえませんでした。

さらにクレタの王子さま、主人公を切なく追い掛け回すのですが、ついに主人公は「おれは男はダメなんだー」と告白します。
「女を相手にしろだって? あなたはどっかおかしいよ」
とか言われたりして、言い返せません。

主人公、ついに「男の子もいいかも……」とか悩んだりしています。

その時代の社会常識にさからうと、ヘテロには行きにくい世の中だったんですね。

でもギリシア圏全部がそうなかったようで。
くだけた席で仲の良い友人・主従関係を男色関係と断定的に揶揄されると

「おれはスパルタ人じゃねーよ」

みたいな反論が定着していたようです。

なんだかんだとひとりの女性を思い続ける主人公の恋が叶わないのが、なかなか切ないのと
主人公の運命がジェットコースター的に上がったり下がったりするのと
戦闘、戦争、決闘シーンが丁度いいサイクルで入ってくるので、気がついたら分厚い本でしたがあっという間に読み終わってしまいました。
前記事の「ローマの戦士」と同じ分量なのですが、格段に読みやすかったです。
著者は歴史学者で、戦史研究家で、しかもアメリカ海軍出身だそうです。

一巻で主人公は故郷に帰還し、叔父(だか従兄だか)に奪われた農場と鍛冶工房を取り返して、これからは平和に暮らすぞーと決意しますが。

二巻では、歴史的なペルシアのギリシア本土侵攻、そしてマラソンの起源となった「マラトンの決戦」にいやおうなく巻き込まれていくのだそうで。

二巻を借りに図書館にGO!!

難しい部分といえば、キャラの名前が覚えにくいですねー。
日本の戦国モノでも、義経、義時、時宗、宗政と、誰がどれだ~となりますが、
アリストロゴス、アリストゴロス、アリスティダス、ヒロクラテス、ヒロティリダテスと、だれがどれだ~。
(ちなみにうろ覚えです↑)
読んでいるうちに混乱してきます。

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